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名工大新聞部提供記事(H27.2.13ー3)


研究室の旅 市之瀬研

記:森井 伸一(都市社会工学科1年)

 今回研究室の旅で訪れたのは鉄筋コンクリート構造の『耐震性』や『施工の合理化』について研究している市之瀬敏勝教授(建・デザ)の研究室だ。研究室に入る前に見える扉には、笑顔の学生がヘルメットをかぶって、実験を行っている写真がかかっており、研究室の天井や棚の上には木や紙で作られた建造物の模型が飾られている。研究室に所属している学生は12名で、和やかに研究が行われている。
 鉄筋コンクリートは居住性(特に剛性と遮音性)が高い。そのため、共同住宅・病院・研究所・精密工場等の静寂を必要とする建物に用いられるが、荷重を受けたときの破壊挙動やメカニズムは複雑で,未知の部分が多く,現在も研究が進められている。市之瀬研では、地震を克服するための耐震設計や、既存の建物の補強技術の研究や、地震による建物の被害の調査研究をしている。また、効率的な建物の建て方についても研究している。
 市之瀬研にて今実施されている屋外実験のテーマは、施工の効率化だ。コンクリート構造物の施工はコンクリートが固まるまで待たないといけないために長いという短所がある。具体的な対策としては、鉄筋を手早く組上げたり、型枠の代わりに薄いコンクリートを使ったり、重要な支え以外の支えを早めに外しておくなどだ。施工期間を短くすると人件費が節約できる。例えば、ワンフロアにかかる期間を3日減らせたら、10階建て30日、20階建て60日と大幅に施工期間を短縮できるという利点がある。
 市之瀬研では学生への方針として、研究をみんなの前で分かりやすく説明でき、実験とシミュレーションの両方を理解できることを重視している。研究室で一番大きな行事は、毎年秋に開催される国際トラスコンテストだ。アメリカ、メキシコ、コロンビア、トルコ、日本の大学が参加する大会で、学生は全員参加する。2001年に市之瀬研で始めたのがきっかけで、2002年から国内の他大学が参加し、2008年から国際大会となった。毎年指定されるルール下でトラスを組み、その真ん中に重りをぶら下げて
いき、耐えられる荷重を競う。前回の大会では名工大が2位となった。また、他の行事としてコンクリート工学会や建築学会などの研究発表会がある。
 「コンクリートは100年以上使われている材料だが、分からないことが多い。また、地震の被害についても、非常に変わった被害、予想もしなかった被害がある。そのようなことを調べるのも面白いと思う。阪神大震災以降、ある種の建て方がまずいと分かったが、どうやったら克服できるかは分からない。そこを探すのは研究の面白さだ。」と市之瀬教授は鉄筋コンクリート構造を研究することの魅力について語る。鉄筋コンクリート構造に興味がある人は市之瀬研究室のホームページや市之瀬教授が執筆した教科書を是非見て頂きたい。

 

研究室の旅