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大阪支部 平成26年度「春季歴史探訪の会」開催報告


~近江商人を生んだ水郷の里近江八幡を訪ねて~

 好天に恵まれた平成26年4月12日(土)午前10時、総勢28名(内、ご夫婦5組)が、JR「近江八幡」駅に集合。現地のガイドさんと落ち合って、先ず明治38年に同地の商業学校に英語教師として赴任し、のち建築設計者として全国に1,600を超す建物の設計をしたウィリアム・メレル・ヴォーリズの初期の“コロニアルスタイル”洋風建築群を池田町の通り沿いに観る。その中の築後100年を越える「ウオーターハウス記念館」(国登録有形文化財)に特別入館し、学芸員から説明を受けたが建築系の会員さんは興味深げであった。

 続いて、すぐ近くの徳川家康の上洛時の宿舎や朝鮮通信使の休憩所ともなった「本願寺八幡別院」に立ち寄ったあと、伝統的建造物群保存地区第1号となった近江商人発祥の町並みといわれる新町通りに建つ見越しの松が覗く旧西川家(重要文化財)や旧伴家住宅(市重要文化財)の質素ながら堅牢な本宅、土蔵が見事に保存されている様を次々と見て回った。

 この町並みをぬけ、ヴォーリズ肝いりの本邦初のメンソレータムの輸入発売元「近江兄弟社本社」前に建つ「ヴォーリズ像」を見ながら「八幡堀」へ。ここは、この地に豊臣秀吉の甥秀次が城下町を開いた際、当時の交通幹線であった琵琶湖を往来する荷船を全て寄港させるため掘削した運河で、今も往時の面影を色濃く残しており、映画やテレビの時代劇のロケ地としても大活躍とか。両岸の瓦葺き白壁の屋敷が影を落とし、今を盛りと桜が咲き誇る、まるで絵にかいたような景観であった。

 ここで昼時となり、近くの船着場から“世界で一番遅い乗り物”と謳う手漕ぎ和船に分乗し琵琶湖の一角に漕ぎ出し、船上で近江牛のすき焼きに舌鼓。両岸のかたや満開の桜、かたや満開の菜の花の間を縫ってゆらりゆらりの1時間半の船旅と食を堪能した。

 

 下船後、かつては湖岸の良質の粘土を使って生産されていた八幡瓦を記念して、八幡堀沿いの瓦工場跡に建てられた日本でも珍しい「かわらミュージアム」を参観し瓦の歴史に触れたあと、数あるヴォーリズ建築の中でも1907年に完成したヴォーリズ建築第1号の「アンドリュース館」(国登録有形文化財)にも特別入館、参観させてもらうことが出来た。ここで一度八幡堀を越えて、近江商人の守護神である「日牟禮八幡宮」に参拝し、拝殿前で全員の記念撮影。

 

 参拝後はすぐ隣にあるロープウエイにて、秀次の居城のあった「八幡山」へ。頂上の「八幡山城跡」を巡ると、琵琶湖や湖上で唯一人の住む沖島、湖の対岸の比良の山並みや織田信長の居城のあった安土をも一望のもとに納めることが出来た。同じ山上にある、自害を強いられた秀次の菩提を弔った「村雲御所瑞龍寺」にも参拝。下山の後、八幡宮参道沿いの有名銘菓グループの店で各々和洋のお土産をゲットして帰途についた。

 

 時あたかも桜や菜の花の花盛りの中、手漕ぎ船で湖水を巡り、湖畔の山上からの360度の景観を楽しむなど立体的な探訪行となった一日であった。

 

記:藤原康宏(36

14-4-12大坂支部春季歴史探訪の会