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全国都市緑化あいちフェアの開催について


■著者:愛知県庁 粟田雅貴(社会開発工学科平成3年卒業)

 

1.はじめに
 全国都市緑化フェアは、都市緑化意識の高揚、都市緑化に関する知識の普及を図ることにより、国、地方公共団体及び民間の協力による都市緑化を全国的に推進し、緑豊かな潤いのある都市づくりに寄与することを目的としています。
 昭和58年に第1回目として大阪府を皮切りに、平成26年は第31回目として静岡県で開催されました。そして愛知県では、平成25年9月に国土交通大臣の同意を得て、平成27年9月12日から11月8日の58日間、第32回全国都市緑化あいちフェアとして開催いたします。

 

2.全国都市緑化フェアの開催の背景
2-1 緑の都市づくり
 「緑」は、環境保全、景観形成、レクリエーション空間の提供、防災・減災など、多くの公益的機能を持っている。近年では、地球温暖化の防止、ヒートアイランド現象の緩和、生物多様性の保全など、地球規模の環境問題においても、その役割が注目されています。
 さらに「緑」は、2011年3月に起こった東日本大震災でも、津波からの避難地、残った樹木による被災者の心の癒しなど、その多様な力で、安心の拠り所、頼れる存在として、緑の持つ機能や役割だけでなく人々にとって大きく、「大切な存在」であることが改めて確認されました。
 「緑」と「暮らし」との関わりを見ると、花や緑を育てること、関わることは当事者にとっては心が安らぐ効果がある。それに加えて、周りの人も含めて心が晴れやかになり笑顔になる。近所の人達と親しく言葉を交わせて地域に交流が生まれる。といった街やコミュニティーが元気になるという効用をもたらします。
 このように「緑」は、環境を改善するという物理的な効用とともに、人の心を安らげ癒す内面的効用、コミュニティーが健康になる社会的効用をも有しています。
 都市づくりにとって、この多様な効用をもつ「緑」を量的に増やし、その質を高める公共や市民協働による都市緑化の取り組みが求められています。
2-2 愛知県で開催する背景
 愛知県は2005年21世紀になって初めての国際博覧会を開催し、「自然の叡智」をメインテーマに世界から多くの人々を迎い入れ、様々な感動を与えました。そして2010年には生物多様性条約国会議(COP10)の開催地となり、環境先進県としての国際的評価を得ました。
 愛知万博から10年の節目となる2015年に、愛・地球博記念公園をメイン会場に全国都市緑化フェアを開催することは、愛知万博で取り組まれた成果が、「緑」の分野においてどのように継承されてきたかを発信する機会となることに大きな意味があります。
 さらにその中で最も重要なことは、環境に優しく健康で文化的な「緑」のある暮らしのすばらしさを具体的に情報発信していくところにあり、全国都市緑化あいちフェアは、重要なステップとなることが期待されます。

 

3.全国都市緑化あいちフェアの概要
3-1 テーマ及び基本方針
 第32回を迎える愛知県の全国都市緑化フェアは、来場者はもとより広く全国の人々に、もっと「花」を愛し、もっと「緑」の力を知ってもらう、愛・知・緑化フェアとして開催します。そして、「愛知万博からの10年」を踏まえ、「自然の叡智」というテーマや成果が暮らしの中の緑にどう浸透したかを発信するフェアとするとともに、緑の力の「見える化」等により、花や緑のある暮らしのすばらしさが実・体感できるフェアとします。
 さらに、これからの花と緑のまちづくりに欠かすことのできない県民協働をフェアの中で積極的に推進し、フェアが一過性の効果で終わらずに時間的・空間的に連続し、花と緑のまちづくりとして持続継続することを目指します。
○テーマ
 緑のある暮らしの明日を愛知から【花を愛し、緑のチカラを知る 全国都市緑化 愛・知 フェア】
○基本方針
 (1)既存ストックの魅力を活用するフェア
 (2)みどりのチカラを体感するフェア
 (3)協働をエンジンとするフェア
 (4)愛知県ならではのフェア

 

3-2 基本的事項
●開催期間
 平成27年9月12日(土)~ 11月8日(日) 58日間
●会場
 メイン会場:愛・地球博記念公園(モリコロパーク)
 サテライト会場:54会場(県民の方々に花や緑の見どころとして立ち寄っていただき楽しんでいただける愛知県内の公園・公共施設及び観光拠点等)
●開場時間
 メイン会場:9時から17時まで(サテライト会場は各施設による)
●開催主体
 主催者:愛知県、公益財団法人都市緑化機構
 運営主体:第32回全国都市緑化あいちフェア
実行委員会
●入場方式 無料(一部有料施設あり)
●目標入場者数 100万人以上(メイン会場70万人、サテライト会場30万人以上)
●あいちフェア愛称 「花と緑の夢あいち2015」
●あいちフェアシンボルマーク

まーく2

 

 ●あいちフェア公式キャラクター
 モリゾー・キッコロ(緑花特別大使)

もりころ2

 

4.会場計画概要
4-1 会場づくりの基本的考え方
 既に当公園はかなり整備が進んでいるため、既存施設の上に仮設で展示会場を設ける考えが基本となりました。そのため、約1.8kmのループ状に設置された既存のメイン園路を活用し、回遊性のある5つの展示エリアを配置することとしました。

 

4-2 エリア計画概要
1)屋外展示
①地球市民のエリア
 地球市民のエリアでは、「鏡の中の花畑」や「緑化壁」などを展示します。
 「鏡の中の花畑」は、鏡を使ったトリックで、花畑が空まで続いているような偽装空間を演出し、会場の玄関口にある、最初の写真スポットとなっています。

緑化壁2

緑化壁(万博から広がる緑化技術)

 「緑化壁」は、愛知万博で展示された「バイオラング」から10年を経て、それぞれの企業の技術力を駆使した、より普及されやすく、デザイン性豊かな垂直庭園のような展示が連続していきます。
②センターエリア
 センターエリアでは、愛知の花で彩る「花の棚田」や造園企業等の出展による「あいちの庭」を展示します。

「花の棚田」2

花の棚田(愛知の花による花壇)

 「花の棚田」は、奥三河にある棚田をデザインモチーフに、愛知県産の花きを代表するキク、ケイトウ、ポインセチアを季節の移ろいに合わせて植え替えるなど工夫し、季節にあった愛知の花で彩る花壇を演出します。
 「あいちの庭」は、県内の造園や園芸関係企業47団体に出展いただき、技や知識を披露する場として来場者を魅了し、花と緑のある暮らしの参考となるような庭園を展示していきます。
③水辺のエリア
 水辺のエリアでは、自治体出展による「花しずく」などを展示します。
 「花しずく」は、政令指定都市を中心に全国から参加をいただき、水辺を彩る秋の風景をテーマに自治体をPRする花壇を出展いただき、来場者に楽しんでいただきます。
④創造のエリア
 創造のエリアでは、農業高校等の学校関係者及び花き種苗業者による花壇等の出展や、一般県民等による「ハンギングバスケット」などを展示します。また、小中学校のデザインによる花壇やメッセージを添えたプランターを展示します。
⑤農のエリア
 農のエリアでは、「あいちサトラボ」での農業活動を見ていただきながら、実りの秋をイメージする花修景を楽しんでいただきます。

天吊り 床面装飾

天吊り・床面装飾

2)屋内展示
 地球市民交流センターの屋内広場などを活用して、屋内展示を展開します。
 花の屋内装飾・壁面緑化を始めとした、斬新な飾り花や五感に訴える鑑賞方法を提案し、花や植物の新しい魅力・奥深さを伝え愛知発の新しい屋内都市緑化が体感できる展示を行います。
3)ジブリの大博覧会
 なお、あいちフェア会期中、地球市民交流センター体育館や愛・地球博記念館内のギャラリー3では、愛知万博から10年、万博で好評を博し、今でも人気の高い「サツキとメイの家」緑化壁(万博から広がる緑化技術)花の棚田(愛知の花による花壇)
天吊り・床面装飾で協力を得た「スタジオジブリ」による、「ジブリの大博覧会」も行っています。
4-3 愛知産の花の活用
 愛知県は、花き生産額が昭和37年以降52年連続して全国1位を誇る「花の王国」であります。そこで、本フェアにおいては、県内全域の花き生産者や流通組織と連携して、新鮮で高品質な花を使用し、100%愛知県産の花で開催するフェアを目指し、「花の王国あいち」としての魅力を全国に発信していきます。
4-4 催事計画の概要
4-4-1 行催事の基本的な考え方
 メインテーマである「緑のある暮らしの明日を愛知から」を基本コンセプトとし、愛知万博やCOP10等に関わった人々をはじめ、県民がそれぞれの経験を持って集い、活躍する場としていきます。
 また、開催期間を愛知万博の記念日や祝祭日を踏まえ、4つの「楽章」に分け、テーマ設定に応じた催事を「地球市民のエリア」の地球市民交流センターや「センターエリア」の大芝生広場野外ステージを中心に展開していきます。

4-4-2 楽章テーマ催事
1)第1楽章(9/12 ~ 9/27)
 「自然の叡智」をテーマに185日間繰り広げられた「愛・地球博」から10年目を記念して、愛・地球博の楽しかった思い出を振り返りながら、“EXPOメモリアル“をテーマに、世界5大陸の民族芸能・音楽をはじめとしたプログラムを展開していきます。
音楽

2)第2楽章(9/28 ~ 10/12)
 スポーツの秋、モリコロパークの自然環境の中、“健康とスポーツ”をテーマにヨガやダンスを通して気軽に体を動かしてもらうプログラムを展開していきます。
3)第3楽章(10/13 ~ 11/1)
 食欲の秋。食べるということは、自然の命、生きものの命をいただくこと。“自然の恵み”をテーマに、食を通じて愛知県の自然の恵みを知るプログラムを実施していきます。
やさい

4)第4楽章(11/2 ~ 11/8)
 愛知県の「郷土芸能・お祭り」などを集めた全国都市緑化あいちフェアのフィナーレを飾る、賑やかなお祭りイベントを実施します。
また、花と緑のまちづくりに取り組む市民、子どもたちが「緑はつなぎ手」として来場者と交流し、花と緑のある暮らしの素晴らしさを未来へつなげていくコンテンツを実施します。

 

5.おわりに

全国都市緑化あいちフェアは、愛知万博10周年を記念する節目の開催であるとともに、花の王国あいちでの開催となります。
 都市緑化の推進に向けて、環境先進県である愛知として、また、花の生産額が日本一である愛知として、その魅力を全国に発信するフェアを目指してまいります。
 ぜひ、皆様もあいちフェアの会場に足を運んでいただければ幸いです。