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東京支部「第56回 東京ごきそサロン」報告


 第56回東京ごきそサロンが、12月2日㈬18時から八重洲倶楽部で『「広い」・「長い」・「高い」空間について』をテーマに開かれました。出席者は、31名でした。
 講師は、㈱巴コーポレーション 副社長執行役員のA53・A55(院)卒 神谷 省次氏で、総合建設はもとより、鉄塔、橋梁等幅広い事業領域をもつ同社が開発した立体構造「ダイヤモンドトラス」をはじめとする大梁間構造とその施工実績、同社が携わった東京スカイツリーの鉄骨製作、名古屋市科学館、圏央道利根川高架橋等、その概要を紹介していただいた。
【講義内容】
 ㈱巴コーポレ-ション(以下「巴」と称す)は、2017年に創業100年を迎える売上高250億円、従業員370人の中堅ゼネコンで、「創造力を発揮し、信頼と安心の技術で社会貢献する」等の三つの経営方針の下企業運営している。
 「高い」空間:最初に話題性のある「高い」空間の東京スカイツリーから紹介する。東京スカイツリーは、設計:日建設計、施工:大林組で、巴は、第一展望台、第二展望台、塔体部の一部、及びゲイン塔(頂部)の鉄骨製作を担当した。東京スカイツリーの主な構造形式は鋼管トラス構造で、トラス接合部にはボルトなどを使わずに溶接で接合する「分岐継手」を採用した。また、鋼管同士が角度をもって接合されその接合部は3次元曲線となり、溶接部が鋭角な部分と鈍角な部分が混在するため、製作には非常に高い精度・技術が要求された。部材は、鋼管で最大2,300φ×厚さ100mm(塔体部の下部で使用)で新規高強度材(500N/㎟)を使用した。A.塔体部-鋼管サイズが非常に大きいため、主管と枝管の溶接は現場では難しく、工場での厳しい精度管理が必要であった。①コンピューターによる部材の干渉チェック、②パイプコースター(CNC切断機)の活用、③CADデータによる組合せ位置と溶接部の脚長予定線・検査用捨て線の罫書き、④溶接部の脚長管理方法のプロセス化、⑤溶接工の技量試験 等で品質を工場で確保し、工場構内で仮組した後現場搬入した。B.第一、第二展望台-外形はともに逆円錐状になっており、第二展望台に付加されたらせん状の回廊は、アーチ型鋼管柱で治具を使用して完成させた。C.ゲイン塔-工場で仮組した部材を塔体内で組み立てリフトアップ工法で設置し、東日本大震災直後の2011.3.18に高さ634mに到達した。他の施工例:瀬戸デジタルタワー・日本平デジタルタワー 等 「広い」空間;名古屋市科学館は、理工館と天文館で構成され、巴は天文館の世界一大きいプラネタリウムの鉄骨製作を担当した。プラネタリウムのスクリーンになる上部半球は、ボールジョイントのトモエユニトラスを使用した二層立体トラス構造、下部半球は、一般的な鉄骨によるトラス構造になっている。部材は工場で精度を確保し、且つ治具を用いて仮組を行い精度の確認を行った。現地では、下部半球はベント支柱を使い、上部半球は足場を組んで、完成させた。他の施工例:東京駅八重洲口グランルーフ・新橋駅大屋根 等 「長い」空間:圏央道利根川高架橋は全長835mで、巴は上部の桁を担当した。現場ヤードで組み立てた橋桁の先端に手延機を設置し、シンクロジャッキを使用した送り出し工法で完成させた。
 講義終了後、食事をとりながらの質疑応答に入った。技術的質問も多くあったが、「スカイツリーと東京タワーではどちらが好きか」、「オリンピック開催決定でどのような影響があったか」等技術面以外の質問もあり、講師と出席者が年代を超えて親睦を図りお開きになった。最後に、会員の親族の方(非OB)が初めて出席され、今後もOB関係者を受け入れしていきたいと考えている。
                                     記:福間 洋二(M49)

講師

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聴講中

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質疑応答(食事中)

質疑応答(食事中)