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亀の瀬地すべり見学会報告


 名窯会大阪支部と名古屋工業会大阪支部共催の亀の瀬地すべり見学会は、国土交通省近畿地方整備局大和川河川事務所が設定されている見学会に申し込みを行い、好天のもと下記のように実施されました。

 

日  時:平成28年5月2日(月)
     14:30 ~ 16:30
見学場所:亀の瀬地すべり資料室および地すべり対策施設等
     (大阪府柏原市大字峠)
内  容:地すべり状況とメカニズムの解説、地すべり対策施設見学、旧関西本線亀の瀬隧道の遺構見学
説 明 者:大和川河川事務所調査課 細川晋建設専門官、國松史裕砂防係長
参加者数:14名
懇親会:がんこ平野郷屋敷

 

 当該地区は、生駒山地と金剛山地の間を大和川が切り抜くように流れている地区で、古くから奈良盆地から大阪平野へ抜ける交通の要衝とされてきました。亀の瀬地すべりは、長い活動史を持った日本の代表的な地すべりであり、幅1km、長さ1.1km、すべり面の深さ約70m、推定移動土塊量1500万m3に及ぶ大規模のもので、明治36年以降には明らかな記録が残っています。特に大規模な地すべりは、昭和6 ~ 7年に起こったものであり、地面に大きな亀裂が発生し、地面が1日平均38cmも移動し、大和川の河床隆起により川上側で浸水被害が起こり、国鉄関西本線のトンネルが崩壊して不通になった記録が残っています。当時の対策工事は国の直営で行われることになり、河床の掘削工事、鉄道の付け替え工事が実施されました。昭和42年にも水平距離で26mも移動する地すべりが発生しました。
 建設省による対策工事は、昭和34年から調査、昭和37年から対策工事が開始され、平成22年までに総額850億円をかけた抑制工(排土工、排水工)と抑止工(深礎工、鋼管杭工)が施工されました。現在、監視システムで変位が認められていないことが確認されています。資料室の各種資料、排水トンネル、集水井、工事中に発見された地すべりで崩壊した鉄道トンネルの遺構を、懇切な説明を聞きながら見学し、知見を深めることができました。
 お世話になりました大和川河川事務所の担当官の方々に、感謝申し上げます。
                                                                                                                             記:片岡宏治(Y40)

 

資料室前にて


資料室前にて

 

排水トンネル前にて

排水トンネル前にて